ふと仕事中、湯波を配膳しているときに疑問に思った。。。
なんで、日光は湯波が名物なんだろう? 現在働いているホテルの会席料理でも、湯波のメニューが豊富に盛り込まれているんですよ。こんだけ押すには何か理由があるはず。「なぜ湯葉がこんなに推されているのだろう?」と気になり、歴史を紐解いてみることにしました。
日光の特産品「湯波」とは?
日光を散策すると、「湯葉」と書かれた看板やお店があちこちにあります。
湯葉料理専門店や湯葉を使ったアレンジメニューも豊富で、まさに日光グルメの代表格といえますね!!
東武日光駅周辺にお店を構える、さかえやでは「揚げゆばまんじゅう」を販売しています。
地元の日光だけではなく、大阪の百貨店の催事に出店したりと、全国的にも知名度が高いお店!
「ゆば」ってそもそもなんぞや。
さて本題に迫っていきます。
湯葉は、大豆から作られる豆乳を加熱した際に表面にできる薄い膜のこと。これを丁寧に引き上げて作られるのですが、実は豆腐の約10分の1ほどしかできない貴重な食材なんです。
湯葉の歴史は1200年以上前、最澄が中国から仏教とともに伝えたのが始まり。最初は京都の延暦寺に伝わり、現在も京都と日光が湯葉の特産地として知られているようです!!
日光湯波と京都湯葉の違いって??
でもちょっと待って、
日光のゆばと京都のゆばは何が違うんだろう。
日光の湯葉は「湯波」と表記され、中央に串を入れて二つ折りにするため、丸くてボリュームがあるのが特徴。
一方、京都の湯葉は平たく柔らかい仕上がりです。
京都湯葉: 薄めで柔らかな口当たり
どちらも美味しいですが、食感が異なるので食べ比べてみるのも楽しいですね!
日光ゆば
出典:http://item.rakuten.co.jp/marunaka21/0803/
字:「湯波」
特徴:膜の中央に串を入れて二つ折りにするように引き上げるため幾重にも巻き上げるので、丸くボリュームがあります。
食感:厚めで歯ごたえ十分
京都ゆば
出典:http://r.gnavi.co.jp/nazn100/menu8/
字:「湯葉」
特徴:湯波槽に移して熱を加え、膜の端に串を入れて引き上げるため、仕上がりが平たいです。
食感:薄めで柔らかな歯ごたえ
やはり京都と日光だとゆばの違いが明確ですね!
なぜ日光で湯波が名物になったのか?
日光ゆばの歴史はとても古かった!
京都とともに日光も山岳信仰の盛んな時代があって全国から人々が集まって輪王寺を中心に仏教の修行をしていたそう。
その時に、魚類に変わる栄養のある食品として好まれていたのがゆばだったとのこと。
大豆にはたくさんのタンパク質が含まれることで栄養価が高く、保存がしやすく、軽量であることも愛用された理由だったと考えられています。その後ゆばは位の高い皇室や神官の重要な食品として重宝されたそう。
そして江戸時代に徳川家康公が日光に祀られるようになって、参拝される方に出された食事にゆばが用いられ定着するように。それから、明治時代に一般の人達にも広まり、今もその昔と変わらない味を引き継いだという歴史がありました。
日光で湯波を楽しむおすすめスポット
【ゆば亭 ますだや】
静かなお庭を眺めながら、湯葉懐石を楽しめるお店。一品一品が繊細で上品な味わいです。「また行きたい」と評判の接客も魅力。
【日光湯波遊膳】
日光東照宮の近くにある湯葉料理専門店。生湯葉刺身や湯葉の揚げ出しなど、湯葉づくしのコースが楽しめます。最後のデザート、豆乳プリンも絶品!
【さかえや】
揚げ湯葉まんじゅうの名店。揚げたてを食べ歩きできるのが嬉しいポイント。お土産用の詰め合わせも人気です。
湯葉グルメのアレンジも!
湯葉グラタンや湯葉うどんなど、湯葉を使った創作料理も多彩!ヘルシーでありながら満足感のある味わいが魅力です。
旅の締めくくりに湯葉土産はいかが?
帰り際には、湯葉を使ったお土産もぜひチェックしてみてくださいね!!
おすすめは「揚げ湯葉まんじゅう」や「さしみ湯葉」。どちらも日光ならではの逸品です。
まとめ
京都ゆばと日光ゆばは、製法は同じでも食感、特徴が全然違うことにびっくり。
日光のゆばは大豆を一晩、日光山の霊水に浸す製法をとっています。日光には霊水とよばれる清らかな水が流れていて、一層ゆばのうまみを引き立たせてくれているそうです!